【ファッションショーの部】
今回のテーマは「ナイトメア」。
ここの日記でも前に少々語ったね。
http://bkmoonbk.exblog.jp/19881646/
出展してくれたブランドさん全部がこのテーマ通りというわけではないけれど、
それっぽいものを何点かは毎回お願いしています。
BKは今回もこの姿で淑女ならびに紳士諸君を「悪夢」へ導いた。
★今回は、Merry GO Round さん(
http://merrygoroundxxx.com/)と、
Pina sweet collectionさん(
http://www.pina-sweetcollection.jp/)が
新たに参加してくれた。
メリーゴーランドさんは、オリジナルの魔法ステッキまである
魔法少女がコンセプト。
ピナスウィートさんは、休日のお嬢様服と呼ぶにふさわしい、
清楚なワンピースやバラ柄やバラの花びらモチーフの素敵なドレス。
どちらも、夢の世界を訪れるのにぴったりの可愛らしいラインナップ。
少女も天使も同じような描かれ方。
「少女」はヴィクトリア時代のキーワードに。
ヴィクトリアンの少女たちは厳しい道徳という現実と、
清らかで天使のような存在というイメージを押し付けられた、
現実と夢の境界(ミリナリティ)にある存在だった。
まさにミリナリティ! まさにお嬢様♪
★Enchantlic Enchantilly(
http://chantilly-mimidy.com/ )
いつも可愛らしい色使いとデザインで、
これぞロリータのお嬢さんのドレス!という
ふわんふわんの衣装を発表される、シャンテリーさん。
今回は「ナイトメア」に沿って、これまでとは路線の一味違っていた。
全体的にダークな色合いで、夜の古城や、回転木馬の
ひそやかな夢に誘ってくれる。
少女の心を持つ大人女子にもとても似合うドレスの数々。
オトラント城とオトラント城奇譚のペーパーバック。
ヴィクトリア朝に、ゴシックの一大ブームをもたらした
「オトラント城奇譚」のゴシック小説の話や、
ゴシック系の古城めぐりのツアーが流行った話などを紹介したよ。
海外だと当たり前の古典なのに、日本だとあまり本が無い。
オーガンジーに繊細なタッチの古城が描かれている。
木馬も夢へと運んでくれるようなドレス。
★Dangerous nude、nude SOX(
http://www.ziggyvamp.co.jp/Dangerousnude/ )
DNAさんは、いつもわくわくするような「アンティーク・ポップ」の
デザインをされるが、市松戦争柄や、ドット柄は本当に挑発的だ。
男性に来てもらうとピカレスクな魅力すら発揮する。
新作の大航海ドレスは、航海時代の柄が使われていて、心躍る。
また、ヌードソックスさんの新作タイツは、鱗柄や、樹液の滴る木肌の柄など
人ではない何かにしてくれる。ナイトメアにふさわしい……。
フュースリの「夢魔」。
200年程前までは、悪夢は悪魔や魔物が見せるものだと信じられていた。
これは、世界の東西を問わず、どこの国にもいた。日本じゃ猫又もね。
逆を返せば、現在我々が信じている夢というものが
近代の理性で解釈されるようになったのは たかが200年とも言える。
夢魔には長いこと大きな関心が寄せられていた。
ゲスト伊勢大貴さんのDNA。(掲載許可済)
ビビット、挑発的。そんな言葉がぴったり。
非日常へ連れ去ってくれる。
★Triple Fortune、Pureblack Gothic Labo (pGL
http://ameblo.jp/pgl-sienna/ )
トリプルは、ナイトメアを、死や幻視(夢を通して神の世界を訪れる)と捉え
オリジナルテキスタイルに昇華した。
大きなクリノリンに、コルセットスタイルという、ヴィクトリアンスタイルを
踏襲しながら、そこに様々な夢の世界を描いた。
十字架が大きくあしらわれたマリエには、
pGLさんのホーリーな死の冠(ティアラ)に、骨のモチーフが添えられた。
死と聖は表裏。人々は死を恐れ、畏れた。
ヴィクトリアンの1851年国勢調査で当時の平均寿命は40歳。
医学的な死という断定があいまいだった当時は、
死んだと思われた者が 生き返ったりする事件も多々あったり、
エクトプラズムが信じられたりしていた。
ダンテ「神曲」は常に芸術家たちにひらめきを与えてきた大著。
東洋に生まれた我々もその中世ヨーロッパのあらゆる知識が投入された
世界観に圧倒されるしかなく、また常に不可思議な神秘的感動がある。
ゲスト高城元気さんのTF。(掲載許可済)
スカートと揃いのタイツやコルセットも♪
華やかな夢。空想の国。
そして滅びと再生の間にある冷たい静寂のマリエ。