3月15日(土)parabolica-bis
「少年装」―長田ノオトの美少年を語る―Triple*fortune プチお茶会レポ
「夜想」という雑誌を知っているかな?
1978年創刊で20年ほど続き、いったん休刊を経て、
2003年に復活した、若手クリエイターを読者ターゲットとしたサブカル系の雑誌だ。
バビがこの雑誌を知ったのは小学生だが、
中学生になってからは、必死にバックナンバーを買ってむさぼり読んだ。
特集も「少女」「少年」「人形」「天使」「ユートピア」「畸形」とか、
いかにもBrilliant Kingdom の世界観とも近い。
思春期にとても影響を受けた雑誌。
その雑誌の編集部は、浅草橋にあって、1年間通して色んなテーマで
展覧会や講演会をやっているのだが、それがパラボリカビスだ。
http://www.parabolica-bis.com/ 今回、ご縁あって、長田ノオト先生の企画展に誘われた。
長田ノオト作品企画ではあるけど、広く「少年」「江戸川乱歩」「フリークス」も
含まれるということで、どんな切り口でも良いと言われ、
それなら「少年装」のファッションでやろうと、即決まった。
★カイエのTriple*fortune は、基本女子のための少女、女性服(姫服、お嬢様服)が多く、
女子の「少年装」含め、メンズラインも、あまり多く作ってなかった。
今回はじめて、どちらにでも活用できる新作を発表しようと、セーラー服が選択された。
セーラー服は最初は海軍の軍服だったが、後に男女ともに着られる
子供服へと応用され、日本では制服に定着した。
春夏にちょうどよいクルーズライン。
ヴィクトリアンでは一時大ブームでもあったセーラー。
あっという間に、カイエの中でデザインが浮かんだらしい。
エドワード7世 幼少は大層な美形王子だった♪
ヴィクトリア朝時代の子ども服のファッションリーダー
★今回は講演中心なので、何を話すか、バビが全面的に任された。
BKともに長田ノオト先生の作品はかなり熟知している。
90年代にホラー漫画を発表された漫画家さんとしては、高名な作家さんだったし、
江戸川乱歩の有名作品をコミカライズされていたし、
また、BL作家さんとしても活躍されていたので、本も相当買っていた。
バビ宅からは11冊も出てきた!!
ただし、この漫画がどうだったとか、ただの主観的な感想を言う
漫談型の会にはしたくなかった。
長田ノオト先生の作品から何が読み取れて、どうしてファッションなのか。
そこを実証的に語りたかったため、江戸川乱歩を絡めて話せる内容の台本作った。
学会ほど固くなく、でもおしゃべりに流れないというラインで…そうしたら予定の倍くらいの
分量になってしまい、かなり削る作業が辛かったよ。
長田ノオト先生の初期作品「牧師館の怪人」 名作だと思う!
……と、まあ、構想だけはしっかりしていたBK。
長田ノオト先生にお会いしたときも、うるさいくらいあーだこーだと、
先生挟んで右から左から熱熱しくしゃべってしまい、大変申し訳ないことをしてしまった。
だけど、そのくらい熱意はあったのだ。
しかし、スケジュールの詰めが甘いのもBK。
準備にギリギリまでかかり、お互いほとんど寝ないまま、15日の当日を迎えてしまった。
でも、寝ていないときは、脳がぼうっとしてしまうか、研ぎ澄まされているかのどちらかで、
この日は後者だった。
そして、結果。しゃべりにしゃべりまくったよ。何か決起する演説会かというくらい←
★まずは「お茶会」の形を取っていたため、お茶とお茶うけを出した。
紅茶は普通の紅茶は嫌だったので、「夜想」編集長の今野さんの選りすぐりを出していただく。
紙コップや、マグなども「お茶会」らしくない。
大人数でも、ティーカップとティーソーサーを絶対というのもこだわった。
今野さんが出して下さったのはダージリン専門店のお茶。
「ブラックサンダー」というお茶をいただいたが、まろやかで甘い香りがした。
茶葉を刻んでなくて、ジャンピングもさせず葉っぱがじっくり開くのを待つ。6分も!
BKも、このお店に行っていることから、今野さんと話が弾む。
薔薇の花ではなく、薔薇の木で作る紅茶の会は、バビも参加したいと思った。
お茶請けの小菓子は、ラデュレのマカロン。
こちらも当日の出来たてにこだわった。BKからのホワイトデーの意味もあったしね。
で、会の始まる前に買い出し。ホワイトデーだったため、朝から行き、1番で受付してもらう。
その後バビのうしろに25人も並んだよ。
マカロンにしようと提案したのはカイエだが、カイエがどうしてそんなにマカロンが好きなのかを
熱意持って語りだすと、これまた止まらなかった。
簡単に言うと、カラフルなマカロンは、ロココのアントワネット時代にはなかった。
ラデュレは、産業革命時代と同じ19世紀、ヴェルサイユではなく、パリで創業。
……からの、歴史に走っていった。
マカロンってたくさんあるとなんか嬉しいよね♪
マカロンタワーやってみたいV
そして、お茶が済んだあとに、Triple*fortune の新作のセーラー服登場!
みんなから、感動の声があがる!
どんな服だったかは、4/12(土)のブリデコinサンリオピューロランドでも登場するので
ぜひ見てほしい。(パラボリカほど近くでは見られないけどね)
ヴィクトリアンのセーラー服のイメージって言えば、
やはり、エドワード王子の有名な肖像画!
衣装の発表でテンション上がったところで、一端休憩をはさむ。
長田ノオト先生の美しすぎる原画をはじめ、お人形を鑑賞し、
マンタムさんが手がけた室内のセットで撮影や、雑談を楽しんだ。
軍装バビ 自分たちで1枚も撮影してなかった。にゃむありがとう♪
長田先生の美麗なキャラは無理でした。いそうなキャラ…的な。
医者カイエ 会場の雰囲気とぴったりなカイエ。
マンタムさんの作った実験室風ステージ
一端、みんなで伸びをしたりして体を動かした後、
いよいよ、映像を使っての講演。
この講演は、BKも熱が入ったので、ときどき暴走したり、早口になったりしてしまったが、
長田ノオト先生のキャラクター造形を通して、作品の新しい見解や、
キャラクターの着るファッションを「機能」として捉えたとき、何がわかるのか。
以下の項目で資料を上げつつ語った。
①長田ノオト作品紹介
たくさん紹介したけど、危険なシーンじゃない頁だけ(笑)
②江戸川乱歩原作作品
連載当時の雑誌、他にも色々、考察交えて。
③キャラクター造形
長田先生のキャラクターの特徴など。
④キャラクターを着る文化とは
ヴィクトリアンで流行った「ファンシードレス」について
⑤仮装するアイデンティティ
機能を持つ服とそれを纏う意味など
⑥トランスジェンダー BL
BLも、役割に自らを仮託すること。他。
⑤のアイデンティティって何だ? から、コスプレとゴスロリの違いを
明確に主張していたら、⑥は、時間が足りなかった。
皆の聞きたかった(と思う)BLとトランスジェンダーについては、
深い掘り下げができなかったが、またの機会があったらより詳しく語りたい。
というか、この話題だけで、講演会が終わってしまうと思う。
BKライブや、ブリデコのステージでも、様々な話をしているけれど、
ステージは歌やファッションショウの間の語りなので、大して長くは語れない。
今回は、休憩入れつつ、3時間ゆっくり話せたので、充実していたと思う。
今回使った本の一部
少年装ってことで、少年の恰好をしてきてくれた子が多くて、
半ズボンだったために、足元が寒かったみたいで、申し訳なかった。
次回があるなら、室温にもう少し気を使います。
本当に楽しい時間を皆で過ごせてよかった。
新しい試みだったけれど、こうしたお茶付の作品発表&講演会(別名BK荒ぶり会)も
またやりたいな。
アリスと「小公子」のフォントルロイスーツと、エドワード7世のセーラー服が
ヴィクトリアンで流行したということを押さえたうえで、
4/12のファッションショウを見て欲しい。
よりいっそう深い理解ができて、よりいっそう「秘密の花園」をリスペクトした
華やかな世界に浸れるだろう。
文責:バビ
4/12(土) BlilliantStar☆デコレーションズin サンリオピューロランド
http://www.puroland.jp/event/brilliantstar